ヤクルト独身寮コンペ応募案
1992年
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ヤクルト1階平面
1階平面図
このコンペは規模的にも非常にてごろだったとみえて400以上というかなりの数の応募があったようです。 この頃すでに仕事は全体的に少なくなっていたという事の証なのでしょうか。

1階は入居者が帰ってきた時にくつろげる共用の場があるといいだろうと思い、小さいながらもアトリウムを設けてホテルのロビーのような 雰囲気をめざしまし た。ここでは2,3階の気配も少し伝わってきて入居者同志のコミュニケーションが自然に増進するよう工夫したつもりです。

2,3F平面
2,3階平面図
2,3階は入居者の個室と浴室,便所などがあります。個室を作る時にユニットバスをいれてセットにしたほうがいいか、切り離すべきか 悩んだのですが結果として切り離しました。特に浴室などは共用にしておけばコミュニケーションの少ない現代っ子でも裸の付き合いのはじまりになるだろうと の勝手な期待からです。

洗面室は全て北側に面して設けました。洗面カウンターの上部は斜めに設置したトップライトになっています。1日の始まりである朝には北 側からの柔らかい光がたっぷりと欲しかったからです。ここでねぼけまなこをさまし、昨夜のちょっと飲み過ぎた頭を爽快にし、気の会った友人と立ち話でもし て1日の予定でも確かめ会って、なんとなく行動スケジュールもきまってしまう。そんな場を想定しながらレイアウトしてみました。

断面
構造的には断面図を見ていただければ上記のトップライトが斜柱の上に段々になってついてるのが解ると思い ます。北側ではこれをデザインポイントとして表現しました。寮室側も同様に斜柱としているのでアトリウムは包まれたような空間となります。地階に駐車場を 配置しました。コスト的には当然かかってしまうのでしょうがアトリウムは1階のプランの余裕はそれがなければ得られなかったと思います。
立面図1
南側では小さいながらもバルコニーを設けそこに日除けルーバーを設置しました。押出し成形セメントのよう なもので組み合せて加工しようと考えてました。ルーバーを兼ねると同時に植栽がまきついて壁面全体がやがて緑化されることをイメージしてかきました。
立面図2 エレベーター機械室が立面でみるとちょっと大きいかなと思います。今なら、EV機械室などもなくせて屋上 はもっとスッキリした形に出来ただろうと思いますが、この時点ではいたしかたなかったでしょう。

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