イースタンリゾート滋賀
1992年竣工
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イースタン配置図
配置図
●建築概要
滋賀県甲賀郡土山町
建築主---イースタンリゾート開発株式会社
設計------氏家隆正設計事務所 ・青木建設設計部
施工------青木建設・村本建設
用途------ホテル・スポーツ施設
無指定/無指定

ホテル棟
延べ面積----18,449.73m2
建築面積----5,824.14m2
構造・規模--S造 地上6階/地下1階
最高高さ----30.1m
昇降機------15人乗り シースルーレベーター2基           他スタッフ用 4基
イースタンパース
鳥瞰パース

アクアパレス棟
延べ面積----5,598.79m2
建築面積----3,847.60m2
構造・規模---S造 地上2階/地下1階
最高高さ----8.9m
プール前面--全天候型開閉式シェルター
イースタン立面図
上からホテル棟,アクアパレス等,アリーナ棟立面
滋賀県甲賀郡の山中に計画されたリゾートホテルです。この案に落ち着く までにいくつもの案が計画され途中段階ではもっと曲線で構成された案もありました。ホテル棟,アクアパレス棟,アリーナ棟の3棟で構成されたリゾート施設 です。

ホテル棟は101室の客室、大宴会場、各種ショップ,ゴルフ場のクラブハウスなどを含みます。設計が概ね5月に終わり、6月から現場監理のために滋 賀県甲賀郡土山町にいきました。昼過ぎに東京をでて名古屋でのりかえ亀山からタクシーで30分ほどの場所です。 

景色も良く周囲は山に囲まれ朝はやく起きて自転車でのりまわしてると、朝もやにつつまれた森の樹木が実に美しくみえて、夏の夜など川辺に蛍もみえまし た。自然環境には良く恵まれた場所でした。驚いたのは人気が少なくなると猿がでてきたことです。夜おそくまで仕事して、さあ、山を降りるかとおもってヘッ ドライトを点灯したら鹿がいきなり現れたなんてこともありました。

イースタンアプローチ写真
駐車場よりアプローチ部分を見る 

やはり、これだけの規模になるといままでと随分異なる事も経験しまし た。防災計画書の作成と建築センターの評定取得。ホテル棟のアトリウムのシャッターの 数の多さ、アクア棟の開閉式シェルター、アリーナ棟のテント膜構造の評定取得。私は主にホテル棟をみてましたが、これだけ手続なども複雑かつ種類が多いの で法令関係など事務所の後輩が設計期間中専任であたりました。

イースタンバルコニー写真
ホテル棟の波打つバルコニー
サッシの種類などもおもったより多く1,2Fなども一見同じように見えるのですがこれだけで数種類はあり ます。同じタイプでもドア巾が異なるなど、とにかく建具の数は多かったです。SD関係だけでチェックに約1週間ちかく費やしてます。

玄関ホール正面横にある階段は眺望の事を考えると梁を1層分はとばすべきだったなと思います。

イースタンバルコニー写真2
斜め方向からバルコニーを見る
ホテル棟の外形の特徴的な部分は波打つようなバルコニーです。バルコニーはアルミパネルなのでこの曲線部 分の割付けは慎重におこないました。波打つ部分を1層ずつずらそうかという案もありましたが、この段階で偏心の範囲にやっとおさまっているということだっ たので、もしそうしていたら構造的に相当苦労することになってしまったろうと思います。
イースタンアトリウム写真ホテル棟アトリウムとシースルーエレベーター
ホテル棟はゴルフ場へのエントランスとなります。ホテル棟の波打つバルコニー,アクアパレス棟の手動開閉 式の巨大シェルター,アリーナ棟の膜屋根など盛り沢山といったところです。

見どころはホテル棟のアトリウムですが、このアトリウムのために約70基の シャッターが設置されました。検査前にこのシャッターの降下試験を行いましたが、いっせいに降りてくる様子は圧巻でした。
 
 

私は、役所関係の検査が終わる8月一杯までいました。よくしたもので検査済証がでたのが8月31日で、ちょうどその日に東京に引き上げ る予定だったのでいいタイミングでした。後は、青木建設設計部の方が引渡し、竣工まで面倒をみてくれました。夕方、東京へ戻るべく亀山までタクシーを頼み ましたが、車中感慨深いものがありました。


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