8 構造
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2013.7    
建築において、最も安全が要求される部分です。 大きく分けて、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造とあります。戸建の住宅のほとんどは木造 ですね。 鉄筋コンクリート造はRC造ともいいます。 (Reinforced-Concrete--補強されたコンクリートの略) 鉄骨造はS造と略され ます。(SはSteelの略)
それ以外にも、鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT造、木造でも大規模断面集成材による工法とかSE工法など、特殊な工法などもたくさんありますが、大きく は、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造と言える思います。

また、地震への対応から耐震構造、免震構造、制震構造と 分類する事もあります。耐震は通常の建物で、接合部を剛 にして地震に耐える方法です。地震力はそのま ま建物に伝わります。 最も一般的な建築工法で、接合部や部材を剛に作りその剛直な構造で地震力に耐える工法です。

免震構造は文字通りいろいろな工法で地震力を逃がす構造といえるでしょう。間に積層ゴムを挟み込んで積層ゴムアイソレータ、球をころ がすころがり支承等があります。最近は水平方向の地震動 だけでなく上下方向の地震動の免震も研究されていて、3D免震も そのうち実用化されてくるかもしれ ません。最近は、免震構造の住宅への適用も盛んになって来てます。主にゴム支承ところがり支承が多いようです。

 制震は、建物に組み込んだ地震エネルギー吸収機構により地震動による揺れを制御する構造といえます。アクティブ・マス・ダンパー(AMD)とか 聞いたことないでしょうか。ビルに筋交いのように部材が取付けられていて、地震の波をキャッチするとコンピュータ制御によりダンパーが作動して地震による 揺れを押さえるようにダンパーを作動させる方法です。方法には、アクティブだけでなく屋上に振り子を設置するようなパッシブな方法もあります。



構造計算方法等は大災害等の後に時々見直されたりしてます。 古いところでは1981年の新耐震基準。2000年の大改正による性能規定と限界耐力計算法の新 設。2007年には構造計算判定(いわゆるピアチェック) 改正されるたびに、頑強になっていくようです。2007年の改正は大災害等でなく、姉歯建築士に よる構造計算偽造事件による制度の改正です。これは大変 な人災でした。

構造計算というと最も気になるのは地震ですが、検討しているのは地震だけではありません。 建築物自身の荷重である固定荷重、人・家具等の積載荷 重、風による影 響を現す風荷重、雪国などでは積雪による影響の積雪荷重、地震による影響を現す地震荷重。 様々な荷重が想定されています。 通常は仮定断面なるものを想 定して、これら各荷重をを各計算方法に基づ いて柱・梁・床耐力壁の大きさ等がクリヤー出来ているかを判定していきます。

建物の大まかなボリューム、ラフ・プラン等が決まった段階で構造をどんな型式にするかを意匠設計者と構造設計者で、ざっと相談します。これには、地盤状況 が大きく影響します から、出来るだけ早い段階で区役所等でボーリング データ等 を集めてきます。 特定行政庁のある自治体の役所の建築指導課・構造係な どの窓口に行けば近隣のデータを見せてくれます。  また、ネットで閲覧できたり、ジオダスなどのサイトを利用したりしま す。  ただ、これでも仮定の段階です。 次の段階では実際に敷地でボーリングを行って該当敷地の地盤の性質と地耐力を把握して基礎形式を決定します。



コスト的にも、木造であれ、鉄筋コンクリート造であれ、鉄骨造であれ..躯体のコスト に占める割合は高いです。きちんと、無理なく無駄なく最もプランに適 合する型式で考えねばなりません。 それには、細かいところまで寸法をチェックし構造体をきちんとイメージ出来なければなりません。それにはさらに仕上 や、納まりの所用寸法もイメージ出来ないと決定には至りません。 表面の仕上が決まれば、躯体寸法がある意味自動的に決まってきます。 それで、支障がで るかどうかを再度、構造設計者と確認しあいます。 こんな作業を何度か繰り返して最終的な、階高等の断面寸法を決めていきます。この時には、階段等、縦動 線の納まり も同時に検討していきます。



私は構造設計者ではありませんが、何度か設計して現場監理もしていれば、少しはカンが養われてくるのだと思います。打合せの時など、柱・梁の 大きさ等も極端にずれるような事はあまりないようです。 もちろん、具体的な構造方法まで提案して..というとこまでは行きません。(行けません.。)  せいぜい、こちらの 要 望と、それを実現するのに具体的にこれくらいで..とか、こんな方法で..とかめちゃくちゃな事を時々言って構造設計者を苦笑させています。




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