4 確認申請
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2013.7    
通常の建物は、計画案が決まった段階で所用の図面、計算書等を用意して 所轄の特定行政庁(役所以外にも所轄の 指定確認検査機関でも受付けられます。)に申請して建築基準関係規定に適合している事について建築主事の確認を受けなければなりません。
 
確認申請提出時には多くの場合、計画のかなりの部分は固まっていなければなりません。 かつてはさほど固まってなくても、とにかくだしてしまってから 訂正すればいいというような事はよく聞きましたし、比較的ルーズだったと思います。2005年の姉歯事件により2年後の2007年より確認申請手続きの厳 格化..が始まってからはそれまでのようなやり方は通用しなくなりました。 当初は、相当厳格でそれまでなら1ヶ月半程度で降りていたのが7ヶ月かかりま した。これじゃ、仕事になりませんよ。 その後、いろいろなところからプレッシャーもあったのでしょうか、今はかなりもどってはいます。

もし、あなたが建築主ならば提出前に図面や書類に目を通して図面の中の専門的な事は解らなくても「説明してください..」といわれれば設計者あるいは担当 者など が解り易く説明してくれるはずです。まあ、そこに至る前に説明は終わってるはずなのですが..。 建築主印は三文判でかまわないのですが、ここに押印する と いう事は建築主としてこの計画案で提出しますという意思表示ですから、納得いかないような場合はきちんとした説明を求めるべきでしょう。 急かされて、つ い その気になって押してしまって、工事が始まってから(あるいは竣工してから)悔やむような部分ができてしまった...という事例はあるよ うですから要注意です。 工事に入ってからでも軽微な変更で いけるのか、設計変更になってしまうのか..担当者に 確認しておくことです。設計変更になれば再度、手続きをして確認を受けるので時間と料金が必要になります。工事もいったんストップになります。
 
確認申請を早く提出したいために、設計者印も押さずに建築主印を押して下さいと、書類だけもってきて平気で頼むなんてのはかわいいほうで、中には『中身は 専門的で解らないから、任せてくれれば大丈夫です。』などと言ってなにも見せてくれずに押印をせまるなんてのもあるようです。これが、建築主になんの断わ りもなく勝手に三文判を押して確認をだすに至っては何をか言わんや、ですね。



一般的な確認申請の用紙は以下のような書式で、第1面から第5面まであります。これに、建築概要書、工事届、委任状等を添付します。これらの書類と建築図 面、構造図、設備図、構造計 算書などをA4くらいの大きさの袋に入れて提出する訳です。多くは、提出時に受付けの番号が決まりますので確認しておくといいでしょう。行政庁や確認機関 の混み具合にもよりますが提出後1週間もすれば『期限内に確認できな い旨の通知』なるものが届きます。代理者宛がおおいです。
 
この通知なるものが届くと、大きな問題や、めんどくさい計算など必要な場合には事前に書類などを整えて役所等の担当者に会って訂正部分について確認しま す。確認後、訂正し設計者印を押します。必要なら図面を差し換えることもあります。誤字,脱字だけでなく用語の取り違いでもきちんと訂正させられます。何 度か、面積表の計算式中での数字の小数点以下10桁目の間違いをチェックされ訂正した事もあります。

現在、審査は構造関係は規模等により構造計算適合性判定(通 称:テキハン)にかかる場合には審査期間が余計にかかります。確認機関等により、意匠、設備等 と並行審査してくれるところが多いようですが、なんせ時間はかかりますから注意が必要です。この時には、手数料も確認申請だけでなく適合判定の手数料もか かります。手数料関係は、確認機関のHP等で見ることが出来ます。 消防同意は大体手続きの最終段階が多いようです。もちろん、これがでなければ確認申請 は降りません。


確認申請は普通は正本、副本の2部(場合によって、消防用に3部の場合もあります)提出し、確認が降りたら副本が返ってきます。確認済証がついてますから 番号、住所、面積等ざっとみておくといいでしょ う。この副本には工事中の注意、役所等への提出書類のリスト、消防設備関係のチェックリストなどがついています。副本は工事中は現場事務所に保管してあり ます。役所での訂正事項などはもちろん確認出来ますから、工事にはいる時には監理者、施工者は充分に留意しておかなければなりません。役所での訂正事項な どは説明してもらうといいでしょう。副本は重要書類で すから工事終了後もきちんと保管しておくように注意してください。将来の増築、改築、建替えなどの時 にあるとないとで随分と作業量などが変わってきます。

 

申請用紙1面
申請書2面 申請書第3面
第1面は申請の表紙です。 図の赤枠上段 が建築主の記入及び押印の欄です。下が設計者の欄です。 第2面は建築主等の概要です。最上段の赤枠が建築主の 氏名、住所、 TELなどの記入欄です。次が代理者(多くは、設計者。委任状に記入されている者と同じです。)その下が設計者欄。一番下の赤枠は工事監理者の記入欄で す。 第3面は建築物及び敷地に関する事項です。最上段の赤 枠が敷地の地 名地番と住居表示の記入欄です。中央欄は敷地面積を記入します。最下段は建築面積、延べ面積等の数字を記入します。
申請書第4面 申請書第5面 申請書第6面
第3面の続きです。赤枠内は工事着手予定年月日と完了 予定年月日の 記入欄です。日付けを確認しましょう。 第4面は建築物別概要です。同じ敷地内に何棟かある場合には1,2と番号をつけま す。最上段の 赤枠が建物用途、中央が高さの記入、最下段が階別の床面積の記入欄です。 第5面は階別の概要になりますので、階数分必要になり ます。第4面 の詳細みたいなものです。省エネの時代に書類が増える原因みたいに思える書類です。
概要書第1面 概要書第2面
建築概要書の第1面です。用紙は自治体などで異なりますが、内容は申請の第2面と 大旨同じで す。 建築概要書の第2面です。内容は申請の第3面と大旨同じです。概要書の第3面は付 近見取り図と 配置図をおなじ大きさの用紙内に貼付けます。第4面は処分の概要で役所の処理用です。




  ※指定確認検査機関について は こちらのサイ トからはいれます。→ http://www.jcba-net.jp/map.html


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