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設計という言葉を辞書で調べると『ある目的を具体化するためのもくろみ。特に土木・建築工事や機器などの製作の計画を図面や計算書など
で具体化する事』とあり
ます。(岩波国語辞典第5判より) 建築士法第2条第5項では『この法律で「設計図書」とは建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図その他これに類するものを除 く。)及び仕様書 を。「設計」とはその者の責任において設計図書を作成する事をいう。』とあります。 なんかわかりにくい。 私の好きな建築家の一人、 渡邊洋治の著書 『建築へのアプローチ』 では、『建築設計とは、第1章で記したように、地球でのあらゆる事の理解、把握の上に、追求、批判、応用を図面、絵、模型などによって検討し、自己の反省 と、第三者からの批判をうけるものである。これらの行為を「設計計画」もしくは計画設計という。』とあります。誠に壮大な定義ではありませんか。
また、地域によっては同じような屋根、壁、材料などで美しい都市景観を構成しているところもあります。京都の清水寺からみえる瓦屋根の つ らなりとか、 白川郷の合掌の連続、パリの街並、ローテンブルクなど..。建築単体では表現できない美しさを持っています。これらは街並に不文律があるから美しく見える のだと思います。もちろん風致地区条例、景観条例とかはあるのでしょうがそれだけで街並の美しさは保てないでしょう。そのような都市のもつ美しさ、構成要 素 は無視できません。(もっとも最近はどこにいっても本当に同じという感も否めませんが..) 何故そうなっているかを自分なりに追求し理由を知っておくこと。そして、その敷地でこの計画案の場合にど う応用できる のか、ごく普通のままでOKなのか、屋根の出寸法をかえたほうがいいとか勾配をかえるとか、プランを調整してみるとかいろいろな作業での調整が考えられま す。
明確に見えるという事はそれだけ微調整(時として微調整なんかじゃ済まなくなることもある。大変更。痛いよな〜)もあるという事です。
こんな作業を
繰返してやっとまともな図面ができあがってくるのです。でも、図面がまともでもそれだけでまともな建築ができあがるというわけではありませんが..。 こうしてみると、設計をするってなんかあり地獄のような『無限ルーチン』みたいな要素があります。その中からどれが適性解なのかを選択する目も必要だとい うことです。
※渡邊洋治--1923年新潟県直江津(現上越市)出身。独自の作風で、異端の 建築 家、狂気の建築家といわれる。1983年逝去。糸魚川の善導寺、箱根の嶺崎医院(龍の砦)、新宿の第3スカイビル(軍艦マンション)などで知られる。 |
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